今まさに、黒船が到来した幕末のような時代に農産物は遭遇しており、TPP環太平洋戦略的経済連携協定での自由貿易や低温輸送技術の進歩により、これからますます自由競争が激化して、今までの常識では考えられない程の市場経済の中に日本ものみこまれようとしています。
そのような現状の中で、個人の農業経営者は海外からの影響の少ない農産物開発や加工、販売まで行わないと農業経営が難しい時代になりつつあると思われます。
そして、ここで本当に大切な事は、農家らしい・作物に愛情を注ぐこと・への基本を守りつつ、お客様優先の経営感覚を持ち、しかも、直売所・web産直など、販売チャンネルをたくさん持つことが重要ではないかと思います。
[1]「販売チャンネル」の確立
[2]「直売プラン」
(1)農産物の商品構成
@基本となる農産物・・・ハウス作物(メロン・スイカ・トマト・苺など)
季節作物(ぶどう・梨・りんごなど)
園芸作物(鉢物・切り花・苗・種・ハーブなど)
A付加価値農産物 ・・・無・低農薬、有機栽培新鮮野菜など
B主食農産物 ・・・米、地鶏有精卵など
C農産加工品 ・・・漬物、豆腐、納豆、味噌、コンニャク、
そば粉、小麦粉(パン・うどん)、乾燥芋
D特殊な農産加工品・・・健康食品(ハチミツ・霊芝・ヤーコン他)、
牛乳、梅酒など
(2)素朴な直売所づくり
@立地条件
主要幹線道路、観光地などに面した生活道路が好条件である。
A土、木を利用した田舎らしい直売所又は簡易直売所(中古コンテナ利用)
○のぼりや旗などで動きのある入り口を演出する。
○田舎の祭りを演出し、焼き芋やおでんなども販売する。
○アプローチは季節の新鮮野菜、果樹、鉢物などで飾る。
B直売所の構成
○照明は自然光・蛍光灯の丁度よい明るさで、音響は自然音・
クラシックなど、心やすまる音楽にする
○目玉商品、季節の新鮮野菜などの商品配置は、購入しやすい
位置を確保する。
○健康食品、こだわりの高級品などは、特別コーナーを設ける。
○ガーデニングブームにあやかった園芸用品も販売する。
○プライスカード(値段表)はボール紙にマジックなどで安い
イメージを大切にする。
但し、高級品などは別にして解説を付け加える。
○簡易な包装紙(新聞紙など)、ビニール袋はエコモノで社会貢献する。
○接客サービスは、笑顔でハキハキと応対し、接客基本五大用語を使用する。
また、ユニフォームは普段着のエプロン姿で、素朴さを演出する。
C仕入、流通システムの確保
○地元生産者などに交渉し、作物・商品毎に契約する。
D顧客が増えたら友の会(会員制)を組織する。
○宅配サービス、割引サービスなど顧客サービスをする。
○田植え、いも掘り大会など、イベントを開催する。
(3)もう一つの直売所
@ファーストフード店の併設
○田舎弁当屋(田舎弁当・きのこ弁当・赤飯など)
○田舎パン屋、田舎そば屋、こだわり限定販売方式
A陶芸品、竹細工製品の販売コーナー
○陶芸教室、細工物教室を開催する。
B野菜自動販売機の設置
○野菜、卵の自動販売機を設置する。(定休日でも販売可能)
Cホームページ直売所の作成
○こだわり自家農園の新鮮野菜などホームページで案内、直売をする。
[3]農業経営会計システムの確立
(1)農業法人(農事組合法人・有限会社・株式会社)を設立し、
会社組織とする。
○農業会計ソフトの導入により効率的農業経営を目指す。
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